働くお母さんの定義

働くお母さんの定義

増え続けている現実

現代は労働、誰しも働くという選択をしなければ生活していくことが出来ない時代になっている。男性だから働かなくてはならない、女性は家庭に入るまでの一時的な仕事をしているだけに過ぎないと、いつの時代かと思うような価値観を持っている人は今でもいるが、それを実現できている人は少ないはずだ。今の女性たちの中には将来なりたいものとして『専業主婦』と答えている人もいるという、それだけ現在の労働状況と厳しい社会情勢の中で、少しでも安定した暮らしを望んでいる人が多いことを証明している。勿論それは男女問わずとして、誰しも恒久的に求めている物に違いないが、今の日本でそれを本当に体現できている人はごく僅かだ。所謂『勝ち組』などという部類に該当する人々のことを指しているわけだが、個人的にこの言葉はあまり好きではない。そもそも正反対の言葉『負け組』というのも、そもそも何を基準として敗者であると定義しているのかも謎だ。確かに勝敗という意味では二分されてしまうのがこの世界の常識とも言えるルールとして組み込まれている、だが社会や世間、そして周囲の人の目に映る姿と自分自身が望んで生活している姿を持ってして、自分自身が求めてきた生活ができている人さえ、本当に負け組と呼ぶべきなのだろうか。答えは否だ、お金はたしかにあれば越したことはない、ただあればあるだけ色々としがらみにしろ、そして良からぬことを企んでいる人が近づきやすくなるだろう。お金はあればそれに越したことはないにしても、必要以上に持っていても使い道は意外と無いものだ。そもそもここぞとばかりにお金というものが必要になるからこそ、人は貯金という選択肢を選ぶもの。潤沢すぎるほどの資産を持っている人でも貯金という手段を持ってして、不測の事態に備えていることもあるはずだ。

お金は確かに必要だ、だがそれを手に入れるにしても大部分の人が労働をしなければ正当な報酬として、月々に貰える収入も大きく変わってしまう。男性にしてもそうだが、女性にすれば現代の労働環境は働きやすく、そして良き社会になっているとはお世辞にもそうだと言えるものではない。働く女性たち、そしてそんな女性たちの中でさらに我が子を養わなければならないという責務を背負っている人々にとっては、現代は見えない苦しみに追い詰められる社会と言っても過言ではない、これは紛れもない事実であって、そして年々増え続けている現実だ。

10年前と今では

昔、という言い方をすれば大体想像つくのが昭和前期以前の頃だろうか、人によって差異はあると仮定すると中々定義するのは難しいかもしれない。そういった中で1つの条件を交えると時代を絞りやすくなると言えるのではないだろうか、それは『女性の仕事は家庭で行うもの』という束縛だ。拘束といっても言い過ぎではないこれは、女性はそもそも社会の中で男を立てるためだけに存在し、社会を循環させるために元気な子供を出産する事こそ真の務めである、そう暗に告げているといってもいい。これが現代で平然と使うものなら男女問わず非難の嵐に苛まれることになるものだが、昭和前期以前においてはそうした価値観を持つほうが普通だったと考えられていた。昭和中期以降になってようやく女性の参政権が認められるようになるまで、まともに社会へ意見をすることも許されておらず、男性と比べて女性は性差別をこれでもかと押し付けられていた事、歴史的な観点から否定出来ない。

だからといって現代で女性が男性を差別視するといったことが認められるわけではないが、中々そうも行かないもの。それこそ現在進行形で労働社会で懸命に働き続けている女性達の多くが、自分たちの生活を守るためにいまだ男性社会となっている大半の労働環境で働いている事実が浮き彫りになってくるからだ。かつては女性は仕事は結婚と同時に退職する、なんて事が当たり前に行われ、その後の人生は子供の成長を共に見続けるために家庭という楔に縛られ続ける運命にある。だがそれも時代を経るごとによって女性たちの価値観も変化し、また現実を考えた上で行動しなければならないという由々しき事態に対処しなければならない。

働く女性たちの水準

働く女性は年々増えており、その差は今から10年ほど前と比べてみても格段に増えていた。平成25年度版、厚労省主導の下で調査された働く女性達の現状を調べた資料によると、平成25年度と平成15年度で働く女性たちの意識が変化しているのがよく分かる。その違いをよく知る事ができるのが『25歳~29歳』・『30歳~34歳』までの労働力の変化だ。

25歳~29歳・未婚者:91.0%(平成15年度)→91.8%(平成25年度)

25歳~29歳・既婚者:47.8%(平成15年度)→58.9%(平成25年度)

30歳~34歳・未婚者:88.7%(平成15年度)→90.3%(平成25年度)

30歳~34歳・既婚者:46.6%(平成15年度)→57.9%(平成25年度)

この時期は女性にとってもまだまだ働き盛りであり、趣味や何事に対しての精力的に活動しやすい年齢となっている。未婚女性にしても若干ではあるが労働力は増えている傾向にあるが、特筆すべきはやはり既に家庭を持っている『既婚女性の労働力』という点だ・25歳~、30歳~、共に労働力は大幅とまでは行かないものの増えている傾向にある。働くのが好きだからという人もいるかもしれないが、この中には子供という存在を抱えている人もいるはずだ。そうした事を考えると、幼い子供がいるのに働くなんてと思うかもしれないが、そうしなければならない事情があると見るべきだろう。

子供がいれば当然そばに居てあげたいと思うもの、特に生まれたばかりの子供は父親の存在も勿論大事だが、生活の中心となるのは母親との時間が一番多くなるもの。お母さんという存在があってこそ子供はようやく落ち着きを覚え、その肝心のお母さんが側にいないという不安は目に見えて明らかにする。それも承知でこの年代で既婚、そして子供を持つことになった女性たちは働きに出なければならない事態を見て、何が起きているのだろうというのも関心を持つべき点だ。

色々と考えられる

女性たちが子どもとの時間を減らしてまで働かなければならない理由を上げるとするなら、おおよそはこんなところだろう。

  • 1.夫である男性の収入だけでは一家の生活がままらないから
  • 2.元々キャリアとして活動しており、育児休暇明けもまた前線に出て活躍したいという上昇志向から
  • 3.夫と離別・死別といった一人で子供を育てなければならない事情があるから

これ以外にも様々な事情を抱え込んでいる人もいるかもしれないが、一般的な事例で言えば合っていると思う。だがこうした事態になっても決して子供の養育を放棄しないだけまだマシな方だ。ネグレクトした挙句、助けを求める子供を放置して夜な夜な遊びに出ていたせいで餓死といった事件がここ数年でも頻繁に起こっている。片親になる事がどれほど大変なことなのかは想像を絶するほどの苦労を背負うことになるかもしれない、そうした苦しみを覚悟しなければ本来子供とは作るべきものではない。人間一人を成長させるためにはそれだけの時間と労働、そしてお金が必要になるからだ。

働くお母さん、夫婦揃ってならだまだしも女性だけで今の時代子供一人育てることはあまりに過酷なものだと言わざるをえない。

マザコンとファザコン